SSブログ

「MacTeX 2020とTeX Live 2020で新しくなったこと」の残り [TeX]

--続き

## TeX Live 2020

### TeX Liveについて

MacTeXは、変更されていないTeX Live 2020ディストリビューションの完全一式をインストールします。これは、macOS、Windows、GNU/Linux、各種BSD系列のUnixで動作するディストリビューションと全く同じものです。

TeX Live 2020の新機能については、「The TeX Live Guide for TeX Live 2020」を参照してください。

### TeX Live の注目すべき変更点

2019年に行われた変更点は、すぐに目につくかもしれません。LaTeXへの入力ソースのデフォルト文字コードが、ISO Latin 9からユニコードのUTF-8に変更されました。標準的なASCIIファイルは両方の規格を満たしているため、変更ありません。Latin 9は、ASCIIに様々なアクセントやウムラウト、西ヨーロッパの言語で使用されている逆さクエスチョンマークのような特殊文字を追加したエンコーディンド規格です。2020年以降、そのような文字コードが使われているLaTeXの入力ファイルは、ソースの冒頭に

```
\usepackage[latin9]{inputenc}
```
が必要でした。

UTF-8は、世界中で使用されているほとんどの文字を同時にエンコードできる規格です。ローマ字、アラビア語、中国語、ヘブライ語、ヒエログリフ、日本語など、世界中で使用されているほとんどの文字を同時にエンコードすることができます。つまりこれまでLaTeXソースの冒頭に

```
\usepackage[utf8]{inputenc}
```
が必要でしたが、デフォルトがUTF-8なので、この行はオプションになりました。(今ではLaTeXエディタはデフォルトでUTF-8を使っているはず。)


### 古いTeX Liveからの変更点


以前から使っている方はTeX Live 2010の3つの変更点に注意してください。

- **pdf(La)TeX**は、PDFの出力時にカプセル化されたポストスクリプト(EPS)ファイルを自動的にPDFに変換するようになりました。デフォルトのオプションは、別の方法で作成したPDFファイルが上書きされる可能性を排除するためのものですが、`\documentclass`宣言(または `\def...`)の前に`\newcommand{\DoNotLoadEpstopdf}{}`を指定することで変換を防ぐこともできます。**pst-pdf**パッケージが使用されている場合も変換は行われません。詳細については、**epstopdf**パッケージのドキュメントhttp://ctan.org/pkg/epstopdf-pkgを参照してください。


- 関連していますが、TeXの外からのコマンドの実行が`\write18`機能で利用できることが*デフォルトで有効*になりました。これらのコマンドは**repstopdf, makeindex, kpsewhich, extractbb, gregorio, r-mpost, texosquery-jre8, bibtex, bibtex8**です。一覧は**texmf.cnf**で定義されています。このような外部コマンドをすべて禁止したいときは、インストール後に

```
tlmgr conf texmf shell_escape 0.
```
を実行します。

- 2010年以降、*出力されるPDFのデフォルトバージョンは1.5*になったので、より多くの圧縮を可能にしています。これは、PDFを生成するために使われるすべてのTeXエンジンと**dvipdfmx**に当てはまります。そこでpdf14 LaTeXパッケージを読み込むとバージョン1.4になります。あるいは `\pdfminorversion=4`と設定します。


--終わり
さて、次はどれを訳すか。誤訳、誤解釈などには責任を持たない、自分のための覚書です。
---


LaTeX Praxiswissen

LaTeX Praxiswissen

  • 作者: Schuster, Ludwig
  • 出版社/メーカー: MITP Verlags GmbH
  • 発売日: 2019/08/31
  • メディア: ペーパーバック



nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。